海の日 夏の催 2020

晴れ渡る青空に夏の訪れを感じるころとなりましたが、

皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 

四季の移ろいの中で美を生み出された様々な伝統色。

日本では古来より暮らしの中にその色合いを取り入れてきました。

皆さまは日本の色といえば何色を想像しますか。

 

「ジャパンブルー」かつて、藍染めの色はこう伝えられていました。

藍が日本で庶民の色となったのは江戸時代。

着物に作業着、のれんにのぼり、はては寝具まで江戸の町は藍色の町でした。

明治時代に入っても藍は日本人の生活の色として親しまれ、

国鉄や郵便局員の制服に用いられるほど。

 

この時代に日本を訪れた渡来人の多くが、藍色があふれていている様子を見て、

日本の国の特徴を「青」で表現したと言います。

その渡来人の一人が美しい藍色を「ジャパンブルー」と名付け、

賞賛したことがこの呼び名の由来と言われています。

当時の日本には藍色(ジャパンブルー)があふれ、

その光景はとても綺麗な事だったでしょう。

 

さて、藍染の話が出てきたと言うことは、、すでにお気付きの方も多いかと思います。

そう、フィルメランジェ 夏の風物詩ともいえる催し。

今年もLITMUSとの協業が叶いました。

 

 

LITMUSとは日本に古くから伝わる天然の素材のみを使用した染色技法

“灰汁発酵建て”を受け継いでいる、

湘南の鵠沼で活動する藍染めづくりの職人集団。

そのこだわった技法を自らのフィルター通し、

素材や概念にとらわれない作品づくりで“日本の藍色”を表現しています。

 

 

そんなLITMUSとの協業も今年で6年目を迎え、すっかり夏の顔となった当催し。

職人の手一つ一つで染め上げられた鮮やかなジャパンブルーは、

毎年多くのお客さまを魅了してきました。

 

LITMUSは江戸時代を中心におこなわれていた伝統的な手法、

「灰汁醗酵建て」により藍液を作り、染付をおこなっています。

 

 

藍染めの染液をつくることを「藍を建てる」といいます。

化学薬品を一切使わず、自然界からとれる原料のみを用いるため、

布やそれを身につける私たちだけでなく、

環境にとっても非常に優しい染色方法なのです。

 

 

さて、細かい染めの手法などは過去のYomimonoでお話しさせていただいておりますので、

今回は割愛させていただくとして。

 

気になる方はこちらからどうぞ!

LITMUS “灰汁発酵建て”

 

今回は藍染めの染め色についてお話しさせていただきたいと思います。

現在LITMUSでは10色の染め色があります。

 

 

鮮やかなブルーの中から今回フィルメランジェがオーダーした染め色は、

『瓶のぞき』『空色』『浅葱』『納戸』『縹』『藍』と

スペシャルオーダーの『Tie Dye染め』です。

 

薄い青から濃紺まで青といっても様々。

一つ一つの色に歴史があり、色名の由来などを見ると様々な時代背景が見えてきます。

 

『瓶のぞき』

藍染めの淡い青色を指す色名で柔らかい緑みの青のことです。

藍染めは布や糸を何度も藍瓶に浸けては取り出し、

浸けては取り出すことを繰り返して濃く染めていくのですが、

瓶のぞきは白い布を少し浸した程度に染めただけ、

あるいは瓶をちょっと覗いただけという意味で付けられた色名です。

 

ただし、あくまでも比喩的な表現であり、

実際にそういう染め方をするわけではありません。

染める力の弱くなった藍瓶に何度も浸け、

染めの作業をおこないながら色を安定させていく為、

むしろ手間のかかる染め色と言えます。

 

LT-SUNNY KAMENOZOKI  ¥14,500+tax

 

LT-DIZZY KAMENOZOKI  ¥16,000+tax

 

 

『空色』

空色(そらいろ)は、昼間の晴れた空を思わせる紫みの薄い明るい青色のことです。

英語でいうSKY BLUEもほぼ同じ色を指しています。

 

「天」とかいて「そら」と読んだり、『真空色』『空天色』『碧天』とも書かれます。

具体的に明るい青をさすときは水色と表現することの方が多く、

空色はが入らない語感のよさや、

浮き浮きした感情を込めて用いられることが多かったようです。

夏の空のように澄んだブルーは、まとった人の気持ちまで晴れやかにしてくれます。

 

LT-SUNNY SORAIRO  ¥15,000+tax

 

LT-DIZZY SORAIRO  ¥16,500+tax

 

 

『浅葱』

浅葱色(あさぎ)は、明るい青緑色のことです。

浅葱とは薄い葱の葉にちなんだ色で、

細かく分けると濃浅葱・中浅葱・淡浅葱・水浅葱などたくさんの種類があります。

平安時代からある伝統色で、

かの有名な新選組が羽織として用いたことでも有名な色です。

 

LT-LENE ASAGI  ¥17,000+tax

 

LT-LIBBY ASAGI  ¥19,000+tax

 

LT-COPPASS ASAGI  ¥42,000+tax 

 

 

『納戸』

納戸(なんど)は、緑みのを帯びた青色のことで、江戸時代の色名です。

その由来には、納戸(屋内の物置部屋)の暗がりの色という説や、

たくさんの藍染めを納戸に収納していたからという説など、所説あります。

こちらも錆納戸・藤納戸など、多くの派生した色があります。

 

LT-SUNNY NANDO  ¥17,500+tax

 

LT-DIZZY NANDO  ¥19,000+tax

 

『縹』

縹(はなだ)とは、明度の高いつよい青のことです。

「縹」は「漂」から転じた字で、藍汁の中に糸が漂うことを表していたそうです。

奈良時代から用いられた色名ですが、中世には「花田」とも書くようになり、

江戸時代には「花色」と名を変え伝わってきました。

「花色」の花は露草の青い花の色を指しており

その花の汁で摺染したことに由来してついた名のようです。

縹は、もとは薄い青のことでしたが、その濃淡によって、

深縹・中縹・次縹・浅縹などと別れていきました。

 

LT-SUNNY HANADA  ¥18,500+tax

 

LT-DIZZY HANADA  ¥20,000+tax

 

 

『藍』

藍(あい)は、縹(はなだ)ほど純粋な青ではない暗い青色のことです

ジャパンブルーと聞いて、まず思い浮かべる色はこの色なのではないでしょうか。

藍色は江戸時代から明治時代にかけてもっとも普及し、

庶民の衣服には欠かせない色でした。

藍色も元々はやや明るい緑みの青の色名を藍色と呼んでいたそうですが、

江戸時代以降になると濃い色を表すようになり、

純粋な深い青色を藍色と呼ぶようになったようです。

 

当時庶民は、藍の色を濃く染めることで豊饒な世の中になると信じ、

より濃く藍色を染めていきました。

農作業の際も汚れが目立たないため、

実用性も兼ね備えた藍色はより庶民に根付いていったのでしょう。

 

LT-SUNNY AI  ¥21,500+tax

 

LT-DIZZY AI  ¥23,000+tax

 

 

そして最後は、

FilMelangeがLITMUSへスペシャルオーダーした『Tie Dye染め』。

Tie Dye染めとは、「布生地を縛って(Tie)染められた(Dye)」染め手法です。

染色前に布生地を折ったり縛ったりすることで模様を生み出し、

手作業で染め上げることから、同じデザインのものが2つとないのも特徴です。

近年ジワジワと人気が再燃しているTie Dye染め、

夏らしい爽やかな雰囲気がとても魅力的です。

 

そんなTie Dye染めですが、

LITMUSの職人の手によって染め上がられたTie Dye染めは一味違います。

なんと、今回の催しの為に新たに考案した、

特別な手法を使用したTie Dye染めなのです。

 

 

前述した通りTie Dye染めとは生地を縛って染めることをいいますが、

今回のTie Dye染めは生地を縛ることはしておらず、

LITMUSの職人オリジナルの手法で染め上げられました。

フィルメランジェの柔らかなイメージに合わせ、

ナチュラルで誰にでも着やすい柄へ染め上げていただきました。

 

 

先ずは生地の地の色を残したい部分(染めない部分)を

ランダムに中央寄せながらカタチを整えていきます。

次に筒状の囲いで生地を囲い固定し、

全体を染めないよう半身だけを藍液の中へ入れ染めていきます。

山になり盛り上がった部分は液が染みない為、地の色が残ります。

染色後、濯ぎをおこない同じ作業を何度も繰り返します。

柄の出し方は職人の経験と感性次第。

他にはない素晴らしい色合いのTie Dye染めが仕上がりました。

 

LT-JAMES TIE DYE  ¥18,000+tax

 

LT-DIZZ TIE DYE  ¥20,500+tax

 

LT-COPPEL TIE DYE  ¥59,000+tax

 

 

通常、硬くなってしまいがちな染物ですが、

「灰汁醗酵建て」による染色と、

フィルメランジェの柔らかくしなやかな生地はとても相性が良く、

着心地はそのままにフィルメランジェ製品たちが鮮やかなブルーへと生まれ変わります。

 

 

染めの手法など文章では伝わりにくい部分も多いかと思います。

催しの初日にはLITMUSの職人にお越しいただきますので、

より深く藍染について知りたい!そんな方は是非店頭へ!!

 

多彩な染め色など、新たなジャパンブルーをラインナップに加え、

これまでと違った藍染めの魅力をご堪能頂ける催しとなっております。

 

 

店内が藍(ジャパンブルー)で染まる特別なこの期間に是非、お立ち寄り下さいませ。

 

 

<日時>2020年7月23日(木)カラ 11:00-20:00

7月23日(木)のみLITMUS職人が来店

<場所>ハウス フィルメランジェ

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-6-6秀和外苑レジデンス1階

<電話> 03-6447-1107

 

※通販サイトでの販売は一部商品となります。